2016.09.15
『ペルソナ5』開発チームより
皆さんこんにちは。前作に引き続き『ペルソナ5』でディレクター兼プロデューサーを務めさせて頂いた橋野です。発表から、かなりお待たせしましたが、遂に本日発売をすることが出来ました。今日を迎えられたのも、皆さんから温かい声を頂いてきたおかげです。本当に有り難うございます!
『ペルソナ5』の開発には、かなりの時間がかかりました。皆さんからの大きな期待値に、まだまだ未熟な我々の技量が追いつかない自覚も持ちながら、作り手としてなんとかそれに応えたいと続けて来ました。いろいろと開発が思うように進まない時期もありましたが「これならご期待に応えられるかな」「驚いてもらえるかな」「思い出の1つとして残してもらえるかな」という想定のものには、なんとかこぎ着けたのかな…という手応えです。ここから先は、もちろん皆さんの感想次第ではあるのですが、宜しければ、是非プレイをしてみてください!
最新作のリリースが叶った今年は、ペルソナシリーズが生誕して20年目となります。20年という区切りを振り返ると、あっという間という気持ちがあるのと同時に、本当にいろいろあったなぁ…としみじみ思い出すことも多いです。様々な事象の入れ替わりが激しい業界で、変わらぬポリシーでモノ作りを続けることの難しさを痛感してきました。クリエイティブの苦労についてはもちろん、アトラス自体が立ち行かない時期もあって、常に「背水の陣」で取り組んで来た20年だったと思います。
個人の思い出になってしまい恐縮ですが、ペルソナ3のときは予算を確保するのも大変で、注文も思ったより集まらず「オワッタかな」と思った瞬間もありましたが、大勢の皆さんが、当初の注文を大きく超える数のゲームプレイをしてくださって、次へと繋げていくことが出来ました。あれから数えても、既に10年以上になります。それぞれの作品を、全てのプレイヤーの皆さんに気に入ってもらえるはずはないのですが、プレイヤーの皆さんは、やっぱり「面白いゲームプレイ」を望み、それを支えてくださっている方達なんだと、当たり前のことながら、改めて「心強く」感じたことを覚えています。そして僕自身も、そうしたゲームプレイヤーでありたいと思うし、ゲームを作る立場も頂けているので、そこへのきちんとした仕事を続けたいと思いました。
今日まで様々な取り組みを続けて来ましたが、ゲーム作りに対する想いは変わっていません。そして、ようやく今日、お届け出来た『ペルソナ5』でも、精一杯、出来る限りのことをしてみたつもりです。かなりのボリュームの作品に仕上がっていますので、どうかお好きなように『ペルソナ5』を遊んで頂ければと思います。
秋の夜長に、少しでも気に入って頂ける部分があれば、嬉しいです。
株式会社アトラス
クリエイティブプロデューサー&ディレクター
『ペルソナ5』シナリオ原案、ゲームデザイン
橋野桂
キャラクターデザイナー 副島成記